コラム
【法人向け】太陽光発電システムの設置に必要な準備とは?
日本だけでなく世界各国で、温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みが行われており、太陽光発電システムの導入を検討している企業ご担当者様も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ太陽光発電システムを導入しようと思っても、設置場所を選定したり、設置パターンを決めたりとさまざまな準備が必要です。
そこで今回は、
- 太陽光発電システムの設置可能な場所
- 太陽光発電システムの設置パターン
- 太陽光発電システムの設置基準や設置までの流れ
- 太陽光発電システムを設置する際の注意点
を解説します。
これから太陽光発電の導入を検討されている企業の参考になれば幸いです。
太陽光発電システムの設置が可能な場所
太陽光発電といえば、屋根の上に設置されているのをイメージする方が多いのではないでしょうか。
しかし、太陽光発電は屋根の上だけでなく、ほかにもさまざまな設置場所の選択肢があります。
どのような設置場所があるのかを知ったうえで、日当たりや十分なスペースが確保できるかなどを検討し、最適な設置場所を選択しましょう。
工場や物流倉庫の屋根
工場や物流倉庫の上に太陽光発電システムを設置するのは、よくある事例の一つです。
大規模な工場であれば、屋根の上だけで大容量の太陽光パネルを設置できるので、十分な発電量が見込める可能性があります。
また、大容量の太陽光パネルを設置できれば、太陽光発電で自社の消費する電気をまかなえる割合が増えたり、災害時の備えとして活用を見込めたりするメリットがあります。
自社施設の屋上
周囲に高層ビルなどの日光を遮るものがなければ、自社設備の屋上に設置することも選択肢の一つです。
実際に自社設備の屋上に太陽光発電を設置した事例があり、広大な設置場所を確保するのが難しくても、方角や屋根の傾斜によっては十分な発電量を確保できる場合があります。
駐車場やカーポートの屋根
カーポートとは、柱と屋根でできている簡易駐車場スペースのことです。
十分な日射量と面積のあるカーポートであれば、屋根の上に太陽光発電を設置できます。
また、駐車場に空いているスペースがあれば、そのような場所にも太陽光発電システムを設置できるでしょう。
地上
自社で遊休地を所有している場合は、地上に太陽光発電システムを設置することもできます。
太陽光発電システムを設置することで一定数の電力を確保することができるため、社内の資源を有効的に活用することができるといえます。
太陽光発電システムの設置パターン
脱炭素化社会の実現に向けて意識が高まっていることや、太陽光発電を利用して電気代削減を目指す企業が増えていることなどを背景に、企業による太陽光発電導入事例が増えつつあります。
自社設備に設置する太陽光発電には「自社保有型」と「オンサイトコーポレートPPAモデル」という二つの所有方法があるため、自社に合った設置方法を採用することが重要です。
自社で保有する場合
自己保有型とは、自社で太陽光発電システムを保有し、そこで発電した電気を自社設備で使用することです。
太陽光発電は太陽光パネルだけでなく、さまざまな周辺機器を取り揃える必要があります。
規模によっては高額な初期投資が必要になるうえ、定期メンテナンスや修理費用なども負担しなければなりません。
しかし、自己所有型は発電した電気を自由に使えるので、一般的に高いコスト削減効果が期待できると言われています。
また、自治体の補助金を利用できる場合もあり、かかるコストに対する削減効果を見極めることが重要です。
オンサイトコーポレートPPAの場合
オンサイトコーポレートPPAという設置パターンは、原則初期投資ゼロで導入できることが最大の特徴です。
オンサイトコーポレートPPAは、PPA事業者が設備や設置にかかる費用を負担する代わりに、需要家(企業)は設置スペースを無償で提供します。
需要家は太陽光発電で生み出された電気を使用し、使用した分だけPPA事業者に電気料金を支払います。
基本料金や、再エネ賦課金や託送料金、燃料調整額などを支払う必要がないことから、電力会社から電気を購入するよりも電気料金が安く抑えられます。
太陽光発電システムの設置基準や設置までの流れ
いざ太陽光発電システムを導入しようと考えても、何から準備すればよいのかわからないケースも少なくありません。
ここでは、太陽光発電システムの設置に必要な資料や準備を解説します。
導入計画を立てる
まず、実際に設置を行う前に、「コスト削減に向けた計画」と「設置場所の選定」という二つの計画を立てる必要があります。
◯ コスト削減に向けた計画を立てる
太陽光発電を導入するときは、現在の電気使用量を把握し、太陽光発電システムの導入前後で、どれくらいのコスト削減効果があるのかをシミュレーションしましょう。
コスト削減の計画を立てるときは、まず「現在の電気料金の契約がわかる書類」と「電気使用量のデータ」を用意し、現在の電気の使用状況を把握します。
そして、太陽光発電システムの導入によってどのくらいの発電量を見込めるのか、オンサイトコーポレートPPAの場合は、PPA業者からの電気購入金額がいくらになるのかなどを協議・精査し、現在の電気使用量と照らし合わせながら方向性を決めます。
◯ 設置場所の選定をする
設置場所を選定するときは、設置場所の面積を算出し、太陽光パネルを何枚置けるか試算します。
設置場所に対する発電量のシミュレーションは、施工会社やPPA業者が実施するケースが一般的です。
日当たりや積雪地帯かどうか、あるいは屋根の向きや傾斜による発電稼働率によって、同一メーカー・同容量の太陽光パネルを載せても発電量に差が生じるので、より詳細なシミュレーションをして場所を選定することが重要であると考えられます。
【オンサイトコーポレートPPAの場合】PPA契約を結ぶ
オンサイトコーポレートPPAの場合、電気の需要家(企業)とPPA業者が契約を結びます。
その際、発電コストをもとに、需要家とPPA業者が契約期間と電気料金を協議して契約します。
契約期間の長さや電気料金は、コスト削減できるかどうかの重要なポイントになるので、慎重に契約しましょう。
施工を開始する
導入計画や設置場所の選定、事業者との契約が完了したら、施工が開始されます。
小規模な設置工事の場合は数日で終了することもありますが、大規模な工事の場合は数週間以上かかるケースもあります。
工事期間はあらかじめ確認しておくと良いかもしれません。
再エネ電力の利用開始
施工会社やPPA事業者、電力会社は、さまざまな再生可能エネルギー由来の電気プランを提案しています。
各社と協議しながら、発電量や電気使用量に合うプランを選択すると良いと考えられます。
太陽光発電システムを設置する際の注意点
太陽光発電システムはメリットの多いシステムですが、一方で設置する際の注意点もあります。
ここでは、太陽光発電システムを設置する際の注意点を解説します。
防火安全対策を行う
近年、太陽光発電システムの導入が拡大しており、さまざまな設置方法が提案されています。
設置方法が増えることで選択肢が増えることは魅力ですが、どこにでも設置していいわけではありません。
消防活動の妨げになったり、消防隊員が感電したりする危険性がないかを確認し、十分な安全性が確保される場所に設置するのがポイントの一つです。
たとえば、非常用進入口や屋外階段には設置しない、屋根の上に設置するときは消防活動用の通路として一定のスペースを確保する、などが注意点として挙げられます。
電気事業法を遵守する
太陽光発電システムの導入には主に「電気事業法」が関わるので、法律を理解したうえで設置するのも注意点です。
太陽光発電システムは、電気を発電するシステムのため「電気事業法」の規制の対象となります。
電気事業法に基づく判断や申請は、施工会社へ代行可能な場合もあります。
そのため、自社で対応が必要かどうかは事前に施工会社へ確認しておきましょう。
丸紅及び丸紅の信頼するサポート会社が太陽光発電システムの設置をサポートします
再生可能エネルギーの一つである太陽光発電は、導入することで電気料金を抑えられたり、企業価値の向上が期待できたりとさまざまな魅力があります。
しかし、検討から導入に至るまで、設置場所を検討したり設置パターンを決めたりする必要があるので、太陽光発電のノウハウが豊富な業者に相談するのがおすすめです。
丸紅では自社保有型やオンサイトコーポレートPPAという選択肢から、企業ごとの電力使用状況や設置場所に合わせて最適な提案を実施しています。
導入から設置、運用までトータルサポートが可能です。
設置実績も豊富なので、はじめて設置を検討されている企業様でも安心しておまかせいただけます。
太陽光発電システムの導入の際はぜひ丸紅までご相談ください。