コラム

設備・仕様

太陽光発電の仕組みとは?必要な機器についてもわかりやすく解説

再生可能エネルギーの代表的存在ともいえる太陽光発電を、自社の屋根や空地を活用して導入する企業が増えてきています。

太陽の光を使って発電できることがイメージできても、詳しい仕組みについては知らない方が多いのではないでしょうか。

ただ、太陽光発電の導入をする際には、きちんと仕組みを理解したうえで検討することが大切です。

そこで今回は、

  • 太陽光発電の仕組みを理解することが重要な理由
  • 太陽光はどのように電気に変換されるのか?物理的な仕組みについて
  • 太陽光発電に必要な機器
  • 太陽光発電の実用例

について解説します。

これから太陽光発電の導入を検討されている企業の参考になれば幸いです。

太陽光発電の仕組みを理解することが重要な理由

近年太陽光発電を導入する企業が増えており、自社でも導入したいと考えている方が多いのではないでしょうか。

太陽光発電は再生可能エネルギーの中でも比較的導入しやすい発電手法であり、導入するときに仕組みを理解しておくことで、導入時や導入後のトラブル時にその知識を役立てられることもあると考えられます。

ここでは、太陽光発電を導入する前に、仕組みを理解しておくことの重要性について解説します。

導入検討する上での基礎知識となる

一口に太陽光発電といっても、必要なものは太陽光パネルだけではありません。

どのような機器よって構成されているのか、さらにどのような原理で発電されているのかといった基礎知識を持っておくことで、導入を検討するときに役立つこともあると考えられます。

また、まったく知識のない状態で導入しようとすると、良し悪しの判断がつかないままで業者の提案を聞くことになってしまい、業者の提案内容が良い内容であるのかわからず、比較検討が困難になる可能性があります。

本当に最適な提案かどうかを判断するためにも、太陽光発電の基礎知識を持ったうえで、導入を検討することが大切であると考えられます。

稼働後のトラブルに素早く対処ができる可能性がある

太陽光発電システムには太陽光パネルを始めとするさまざまな電子機器が使用されており、稀ではありますが機器の不具合によって正常に動作しなくなるケースもあります。

また、災害で太陽光パネルやその他機器が破損し、発電が止まってしまう、もしくは発電量が低下してしまうことも考えられます。

トラブルが生じた際、一般的には業者を呼んで修理してもらいますが、トラブルの内容や業者との契約内容によっては常にスピーディーな対応をしてくれないこともあるかもしれません。

そこで、太陽光発電の仕組みやどのような機器が使用されているのかを理解しておくと、トラブルが起こった際に、どの機器に問題があるのか等を判断することができる可能性があがり、迅速にトラブルに対応できることもあるかもしれません。

専門業者でないと対応できないケースもありますが、故障部分を見つけておくなどの対処ができれば早期復旧につながることが考えられます。

太陽光はどのように電気に変換されるのか?物理的な仕組みについて

ここでは、太陽光発電の物理的な仕組みについて解説します。

太陽光発電は、太陽が発する「光エネルギー」が「太陽電池」に当たると、太陽電池を構成している半導体の電子が動いて電気を発生させる仕組みです。

太陽電池という名前ですが、一般的な電池のように電気を蓄えるのではなく、光エネルギーをそのまま電力に変換します。

太陽電池はN型半導体とP型半導体が張り合わせられており、そこに光エネルギーが当たるとP型シリコン半導体は正孔(+)を帯び、N型シリコン半導体は電子(-)を帯びます。

そして、それぞれの正孔(+)と電子(-)の電極をつなぐことで、電気が生み出される仕組みです。

また、太陽電池はシリコン系・有機系・化合物系の3種類があり、基本的な仕組みは同じであるものの、原材料や製造工程、また発電効率が異なります。

現在主流となっているのはシリコン系であり、世界の太陽光発電の約8割に採用されています。

太陽光発電に必要な機器

太陽光発電といえば、太陽光パネルが並べられているのをイメージしますが、その他にもさまざまな機器が必要です。

ここでは、太陽光発電に必要な機器を解説します。

太陽光パネル(太陽電池モジュール)

太陽光パネルは、先ほど解説した太陽電池をつなげてパネル状にしたものです。

太陽電池板や太陽電池モジュール、ソーラーパネルなどと呼ばれることもあります。

太陽光パネルに太陽の光エネルギーが当たることで、電気を生み出します。

また、太陽光パネルをよく見てみると、小さな四角い板が見えるかと思います。

この最も小さな単位を「セル」、セルを板状につなげたものが「モジュール」もしくは「パネル」と呼ばれています。

架台

太陽光パネルを地面や屋根の上に固定する際に必要になるのが「架台」です。

架台は鋼やアルミ合金製のものが一般的で、耐久性やコスト、施工性などが異なります。

産業用パワーコンディショナ(PCS)

太陽光で発電された電気は「直流」のため、電流や電圧が変化しない電気の流れ方をしていますが、一般家庭やビル、工場などで使うのは、電流や電圧、電気の向きが周期的に変化している「交流」という電気です。

そこで、太陽電池で発電した直流電力を一般家庭やビル、工場などで使える交流電力に変換する機器が「パワーコンディショナ」です。

パワーコンディショナは住宅用と産業用の二種類に大別でき、特に産業用パワーコンディショナの多くは屋外での使用に対応しています。

自立運転機能

パワーコンディショナの種類によっては、「自立運転機能」を備えているものがあります。

自立運転機能とは、パワーコンディショナを自立運転モードに切り替えることで、太陽光パネルで発電した電気をそのまま家庭内で使えるようにする機能のことです。

自立運転機能の付いているパワーコンディショナがあれば、電力供給がストップしても晴れた日中なら電気を使用できる安心感があります。

産業用接続箱

太陽光発電で生み出された電気は直流電力のため、パワーコンディショナで交流電力に変換すると前述しましたが、その前に複数の太陽光パネルで発電した直流電力を一つにまとめる役割を果たしているのが「接続箱」です。

接続箱は落雷で機器が壊れないようにする「避雷素子」や電気の流れをチェックする「開閉器」なども組み込まれています。

また、大規模な太陽光発電システムを導入する場合は、産業用接続箱を複数設置し、各接続箱で集めた直流電力を一つに集約する役割を担う「集電箱」が設置されるケースもあるので、規模に応じて最適な接続箱を導入しましょう。

産業用蓄電システム

太陽光発電システムだけを導入すると、日中の晴天時は太陽光発電の電気が使用できるものの、雨天時や夜間は太陽光発電の電気を使用できないので、電気を購入する必要があります。

また、停電になった場合も、晴れた日中なら電気を使用できますが、それ以外のタイミングは電気が使用できません。

そこで、太陽光発電システムと産業用蓄電システムの両方を導入する選択肢があります。

産業用蓄電システムに太陽光発電電力を貯めて夜間や雨天時に使用すれば、電気購入量を減らせるうえ、電力使用量が高まるタイミングに、蓄電池から放電しピークシフトすることで節電対策になる場合もあります。

さらに、停電時の非常用電源としても活躍するので、BCP対策にも貢献するでしょう。

太陽光発電の実用例について

太陽光発電システムは工場や社屋の屋根の上はもちろん、一般住宅でも積極的に導入されており、再生可能エネルギーを使って環境負荷を低減しようとする意識が高まっています。

実際に、太陽光発電が導入された事例をみていきましょう。

Fujisawaサスティナブル・スマートタウン

神奈川県藤沢市では、パナソニックを中心に19社1協会が協力して「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(FujisawaSST)」という街づくりプロジェクトが行われています。

この街は、広さ19haの街の中に「住宅地区」「福祉・健康・教育地区」「生活支援地区」という3つの地区を構成し、約1,000世帯の入居を予定しています。

さらに、街全体の再生可能エネルギーの利用率を30%以上、1990年比でCO2排出量70%削減を目標に掲げているのが特徴です。

目標を達成するために、各住居に太陽光発電システムや蓄電池、エネファーム、HEMSが取り付けられているのがポイントです。

「省エネ」「創エネ」「畜エネ」の3要素を並列的に実施できる住環境を整えています。

さらに、道路沿いにコミュニティーソーラー出力100kWも導入されており、街全体で地球環境に優しい暮らしを実現できるよう対策されています。

鹿児島県奄美大島

丸紅は、鹿児島県奄美大島で蓄電池併設型屋根置き太陽光発電の長期売電事業の実証を開始しています。

奄美大島では、本土の電力系統と接続されていないために、発電量のほとんどをCO2の排出量の多い火力発電に依存しています。

しかし、電力系統規模の小さい奄美大島では、天候によって発電量が左右されやすい再生可能エネルギーを主力電源として採用すると、島内全体の電力の需給を不安定化につながるという課題も抱えている状況です。

これは奄美大島に限らず、離島の多は同様の問題を抱えており、丸紅ではCO2排出量が少ない太陽光発電を主力電源とすべく実証を開始した背景があります。

具体的には、島内の複数の場所に施設所有者の費用負担無しで太陽光発電システムおよび蓄電池を導入し、さらに発電した電力はそれぞれの施設に売電する仕組みです。

蓄電池は遠隔から操作し、太陽光発電の電気が足りないときに蓄電池内の電気を放出することで、再生可能エネルギーの利用率を高める実証も行っています。

丸紅が太陽光発電システムの導入をサポートします

太陽光発電を導入するときは、基本知識や物理的な仕組みを理解してうえで採用することが重要です。

きちんと仕組みを理解して採用すれば、導入後のトラブル回避になったり、機器の不具合が発生したときの対処スピードが早くなったりする効果が期待できます。

しかし、検討から導入に至るまで、さまざまな要素を検討しなければならないため、太陽光発電のノウハウが豊富な業者に相談するのがおすすめです。

丸紅では、太陽光発電システムの導入から設置、運用までトータルサポートが可能です。

自社保有型やオンサイトコーポレートPPAなど保有方法の選択肢の提案はもちろん、予算や設置状況に合わせて最適な提案をしています。

再生可能エネルギーに対する取り組みを積極的に行っており、太陽光発電システムの導入実績も豊富なので、はじめて導入を検討されている企業ご担当者様でも安心しておまかせいただけます。

太陽光発電システムの導入の際はぜひ丸紅までご相談ください。

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