コラム
【法人向け】太陽光発電を導入するメリットとは?注意点も解説
太陽光発電の導入に関して、住宅用に加え、昨今は法人の導入が増えてきています。
例えば自社の敷地、建物の屋根上や駐車場など導入適地としてのアプリケーションは増え続けています。
これまでは固定買取価格制度(発電した電気を国=電力会社がプレミアム価格で買い取る制度。通称FIT)が企業が太陽光を導入する一つの背景でしたが、この制度による成果として太陽光発電システムの価格が劇的に下がり、まさに電気は買う+自分で作る(使う)時代となり、また、ウクライナ危機や円安を端に発したエネルギーの急激な値上がりも相俟って、企業の導入検討が進んでいます。
例えば、普段使う電力の一部を太陽光発電で補うことができれば、電気代節約の大きな助けになります。
また、非常用電源として利用できることから、停電時でも日常業務を行える場合もあるため、災害対策として非常に有用と言えるでしょう。
しかし、いいことばかりではありません。
本記事では導入に際し、メリットとデメリットとは言えないものの慎重に検討すべき部分があるのでそれらを解説していきます。
これから太陽光の導入を検討されている経営や企業担当の方の参考になれば幸いです。
法人が太陽光発電を導入するメリット
法人が太陽光発電を導入するメリットとして下記が挙げられます。
- 電力料金等の削減
- CSR的企業イメージの向上
- SDGsやRE100における企業方針に対するソリューション
- 災害時対策(BCP含む)
再生可能エネルギーの導入にあたって、他発電器と比較して、太陽光はハードルが低いと言われています。
また、各省庁、自治体の各種助成金交付によるサポートも受けられる可能性もあり、さらに導入の検討が身近になるかもしれません。(採択要件は個別に確認が必要です。)
順番に解説します。
費用の削減(電気料金など)
まず、第一に挙げられるのが、太陽光の導入よる自社発電を活用した電気料金の削減です。
太陽光の導入には2つのパターンがあると思います。
1つ目は、自己投資による投資による導入です。
いわゆる、自社で太陽光発電設備を所有するパターンで、
太陽光発電設備が発電する電気を自社で使用するパターンです。
2つ目はCPPAと言われる第三者保有型モデルを活用するパターンです。
CPPAとは?コーポレートPPAの略で、 PPAはPower Purchase Agreement いわゆる売電購入契約を意味します。
具体的には自社ではなく第三者に保有してもらい、電気を購入するイメージです。
自社投資による導入に比べてコストメリットが下がりますが、初期費用をかけずに太陽光発電設備が発電した電気を導入する事ができます。
東京電力エナジーパートナーのホームページによると燃料費の高騰などから、月々の電気料金が値上がりしています。
2022年7月 | 2022年8月 | 2022年9月 | |
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電気料金 平均モデル(円/kWh) | 8,871円 | 9,118円 | 9,126円 |
※参考:東京電力エナジーパートナー株式会社 2022年8月分電気料金の燃料費調整について
※参考:東京電力エナジーパートナー株式会社 2022年9月分電気料金の燃料費調整について
太陽光発電設備の導入によって、外部からの購入電力を削減し、電気料金の値上がりの影響を抑え、電気料金の負担を減らせるでしょう。
CSRにおける企業イメージの向上
CSRとは、Corporate Social Responsibility、即ち、企業が活動を行うにあたって担う社会的責任のことです。
太陽光発電等の再生可能エネルギーは、二酸化炭素の排出量が少ないため、環境に対する負荷を削減でき、導入すれば環境と地域・社会に貢献・責任を果たしていることを示せると言えるでしょう。
CSR的活動を行うことは、企業のイメージアップにつながり、ブランド価値の向上に貢献するのではないでしょうか。
SDGs、RE100対応が迫られている企業に対するソリューション
再生可能エネルギーを電源とする電力の導入は、SDGs、RE100対応が迫られている企業に対するソリューションの一つと言えるのではないでしょうか。
太陽光の自社導入もその一つかもしれません。
SDGs=持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の7番目の目標である「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」と、13番目の目標である「気候変動に具体的な対策を」に該当し、SDGs的対応といえるでしょう。
また、RE100とは、企業が自らの事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブで、世界や日本の企業が参加し、環境省も「環境省RE100の取組」として進めています。
※RE100への参加企業についてはRE100ホームページをご参照ください。
再生可能エネルギーの導入検討は、社会的責任を果たすひとつのソリューションと言えると思います。
将来のVPPのリソースの可能性
VPP(Virtual Power Plant)とは、各需要家側が持っているエネルギーリソースを活用し、第三者(アグリゲーター)が管理することで発電所と同様の機能を持つことができる仮想発電所のことです。
東日本大震災では、電力の需給バランスに偏りがあり、電力の需給がひっ迫しました。
そのため、エネルギーリソースを分散することができるVPPが注目されています。
その中でも太陽光発電は、VPPのエネルギーリソースとなる可能性があります。
災害時対策(BCPを含む)
太陽光発電設備を導入することは、災害時の対策のひとつと言えるでしょう。
また、蓄電池を併設することで、その効果が高まるとされています。
太陽光発電システムには「自立運転モード」という機能が備わっており、停電時に切り替えることで発電している電力を使うことができます。
照明や、情報収集の為の携帯電話やパソコンなど簡単な電源確保の一つのソリューションとなり得るのではないでしょうか。
※設備の仕様にもよりますので同システムにするか、導入を検討する際に導入パートナーとの協議が必要です。
導入しやすい再生可能エネルギー
太陽光発電は、他の再生可能エネルギー(風力・水力・地熱・バイオマスなど)と比べて、コストが低く、導入しやすいというメリットがあります。
また、初期費用を使いたくないと言う方は、PPAモデルといった、第三者が保有し、電力を供給してくれるサービスもあります。
PPAモデルは、発電量に見合った対価をPPA事業者に支払う必要がありますが、設置のための初期費用はかかりません。
また、リース方式と同様、太陽光発電設備を譲渡してもらえる場合もあるため、低リスクでの太陽光発電導入が可能といえるでしょう。
導入検討に際して注意するポイント
導入検討にあたり、いい事ばかりではありません。
下記ポイントにも注意しましょう。
- 初期費用は?
- 発電量は天候に左右される?
- メンテナンスはどうするの?
- 載せられない屋根もある?
- 設置業者やメンテナンス会社の倒産リスク ?
- 災害時のリスク?
- 反射光によるトラブル?
それぞれ順番に解説します。
初期費用
初期費用は、設置する太陽光パネルの種類や面積によって金額が変わりますが、それなりに投資費用がかかります。
そのため、初期投資をさけたい企業は、初期費用無料で導入できるリース方式やCPPA方式(コーボレートPPA方式=第三者保有方式)の活用を検討することも一つかもしれません。
発電量は天候に左右される
太陽光発電の発電量は、天候に左右される事は認識が必要でしょう。
メンテナンスによる手間
太陽光発電システムには、メンテフリーと言われていますが、実際はメンテナンスが必要です。
経年劣化による部品の老朽化により、システム維持に支障をきたす場合があるからです。
設置業者との契約時の保証内容にもよりますが、メンテナンス費といったコストがかかることもあるため、事前の確認をおすすめします。
載せられない屋根もある
強度不足などの理由により設置できない建物や屋根があります。
発電の導入には、設置業者との事前協議が必要です。
設置業者やメンテナンス会社の倒産リスク
太陽光発電に必要な施工やメンテナンスを行う企業には、倒産などのリスクもあるかもしれません。
しっかりとしたパートナーの選定が重要になるかと思います。
災害時のリスク
太陽光発電の設備は、災害時に故障してしまうケースがあります。
地震の揺れにより接続部分が断線したり、台風で物が飛んできて太陽光パネルに当たって破損したりすることがあります。
こうした自然災害による破損に対する保証内容についても、契約時に確認しておきましょう。
反射光によるトラブル
具体的には、太陽光の反射によって近隣の方に迷惑をかけてしまうというケースです。
特に、設置場所周辺に民家やビルが多い場合は、反射板によって近隣に迷惑がかからないかどうか気をつけなければいけません。
太陽光パネルの設置に際して、反射光で近隣の方に迷惑がかからないよう、契約前に設置業者に十分に相談することを推奨します。
専門家の知見を活用することが重要
太陽光発電を行うのなら、専門家の知見を活用することが重要です。
なぜなら、太陽光発電には、導入にかかる費用、導入方式、補助金制度の種類と利用可否、設置場所、発電可能な電力量など、確認しておかなければならないことがたくさんあるからです。
専門家の知見を活用することで、自社に最適なプランで太陽光発電を導入でき、契約時や運用後のトラブルも防げます。
制度などが変わるケースも考えられるため、継続的に専門家に相談しながら太陽光発電の運用を行うことが非常に大切です。
丸紅は、導入後も安心して太陽光発電を運用いただくための保険や保証制度を用意しています。
たとえば、災害時のリスクに備えて「自然災害保険」も用意しており、自然災害による太陽光発電システムの破損に対して対応できます。
太陽光発電システム構成機器の不具合に対しても、オプションで10年間の保証も行っています。
丸紅には、長年の販売実績とノウハウにより、お客様に安心して太陽光発電をご利用いただける提案(パートナー紹介、保険の紹介等)がございますので、太陽光発電の導入を検討している方はぜひ一度ご相談ください。